chkdsk実行してしまいデータ消えた時、今すぐ確認すること

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深夜にパソコンが「応答なし」を繰り返して、藁にもすがる気持ちでchkdskを実行した。あるいは再起動したらWindowsが勝手にディスクチェックを始めて、終わるのを待つしかなかった。そして終わった後、フォルダを開いたら中身が空っぽ。もしくはファイル名が全部「FOUND.000」みたいな見慣れない名前に変わっている。

これ、僕が窓口にいた頃に一番多かった相談パターンの一つです。「自分がchkdskを実行したせいでデータが消えた」と思い込んで、深夜にパニックのまま電話してくる人が本当に多かった。まず言っておくと、chkdskそのものがファイルを「消す」ことは実はそんなに多くありません。ただ、消えたように見える現象にはちゃんと理由があるので、それを一緒に確認していきましょう。

今すぐやること、やってはいけないこと

まず落ち着いてほしいのは、今この瞬間にさらにchkdskを実行したり、フォーマットしたり、新しいファイルを保存したりしないこと。これが一番大事です。

chkdskで論理的な不整合が見つかった後のディスクは、元のファイル配置情報がまだ内部のどこかに残っている可能性があります。そこにさらに書き込みが入ると、上書きされて本当に復元不可能になる。だから、消えたことに気づいた直後は「触らない」が正解です。デスクトップに新しいファイルを置くのも、ブラウザで検索履歴を溜めるのも、実は同じディスクへの書き込みなのでできれば避けたい。

僕が対応した中で一番もったいなかったのは、「消えた!とりあえずもう一回chkdskかけてみよう」と自己判断で連打してしまったケース。1回目は運よく復元できる状態だったのに、2回目3回目で状況が悪化していて、こちらでも救えるファイルが減ってしまったことがありました。気持ちはわかるんです、直そうとして触ってしまう。でもここは我慢どころ。

chkdskで何が起きているのか

chkdskは基本的に「ファイルシステムの整合性チェックと修復」をするツールです。ファイルの中身そのものを消すというより、ファイルシステム(NTFSなど)の管理情報、つまり「どのファイルがどこに保存されているか」という目次部分を見て、おかしなところを直そうとします。

問題は、この目次部分がすでに壊れていた場合。chkdskは「持ち主のわからない断片」を見つけると、それを勝手に消すのではなく、ドライブの直下に「FOUND.000」「FOUND.001」というフォルダを作って、その中に「FILE0000.CHK」のような名前でまとめて放り込みます。つまり、フォルダの中身が消えたように見えても、実際は名前も場所も変わった状態でどこかに移動しているだけ、ということが結構あるんですよね。

もしドライブのルート(一番上の階層)に見慣れない「FOUND.000」というフォルダができていたら、まずそこを開いてみてください。中に.chkという拡張子のファイルが並んでいたら、それが行方不明になった元のファイルの可能性が高いです。

.chkファイルの中身を確認する方法

.chkファイルは拡張子がわからなくなっているだけで、中身自体は元のファイルとほぼ同じことが多いです。ただ、ファイル名から元の内容を推測するのは正直難しい。ファイル名が全部連番の数字になってしまうので。

一番確実なのは、ファイルサイズが大きいものから順にいくつか開いてみることです。テキストエディタやフリーの拡張子判定ソフトで中身を覗いて、Word文書っぽい、Excelっぽい、jpgっぽいというのを一つずつ確認していく。地道な作業ですが、これで卒論のデータを取り戻せた人を何人も見てきました。

拡張子を変えて開き直す場合は、必ず元のファイルをコピーしてから作業してください。.docxなら拡張子をdocxに変更、写真ならjpgやpngに変更して画像ビューアで開けるか試す。この時、元の.chkファイルはそのまま残しておくのが鉄則です。一度で当たらなくても、コピーなら何度でもやり直せます。

もしFOUND.000フォルダが見当たらない、あるいは中を見ても求めているファイルが全然ないという場合は、無料のデータ復元ソフト(Recuvaや似たツール)でドライブ全体をスキャンしてみる方法もあります。深いスキャン(ディープスキャン)をかけると、chkdskで管理情報が書き換わった後でも、ファイルの実体データが見つかることがあります。ただしこれは時間がかかりますし、見つかったファイル名がバラバラになるのはFOUND.000の時と同じです。

似たような「フォーマットしてしまった系」の復元手順はフォーマットする必要がありますと出たら復元は諦めなくていいでも詳しく書いているので、合わせて見てもらうとイメージがつかみやすいと思います。

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ここから先は自分でやらない方がいいサイン

ここまで書いておいてなんですが、全部が全部、自分で何とかなるわけではありません。線引きをはっきりさせておきます。

chkdskを実行した後に、パソコンがフリーズを繰り返す、ドライブ自体が急に認識しなくなる、HDDから「カチカチ」「キュイーン」という異音がする、こうした症状が出ている場合は、論理的な話じゃなくて物理的な故障が絡んでいる可能性があります。この状態でさらにスキャンをかけたり、chkdskを再実行したりすると、回転部分や磁気ヘッドに負担がかかって、状態を悪化させることがある。異音についてはHDDのカチカチ音は物理障害。やってはいけないこと3つと正しい初動にも詳しく書きましたが、音が出ている時点でソフトでの対応はいったん保留にするべきだと僕は思っています。

あと、SSDの場合はHDDと違って物理的な音は出ませんが、突然パソコンが完全にドライブを認識しなくなった、電源を入れてもBIOS画面にすら表示されない、という時はコントローラー系の故障が疑われます。これも自分で追加の書き込みをする前に、業者の無料診断を挟んだ方が安全です。

正直なところ、「見た目は動いているけど中の重要データが心配」というレベルなら自分で試す価値は十分あります。でも「動作がどんどんおかしくなっている」段階まで来たら、僕は迷わず一度手を止めることをおすすめします。

業者に相談する場合の目安

自分で.chkファイルを開いても目的のものが見つからない、あるいはそもそもFOUND.000フォルダごと存在しない、という場合は、無料診断をしてくれる業者に一度状態を見てもらうのも選択肢です。

論理障害(今回のようなファイルシステムの不整合)であれば、料金相場はだいたい3万円〜8万円くらいのところが多い印象です。ただしこれは容量やデータ量、症状によって変わりますし、店舗によってもかなり差があります。「必ず直る」という保証はどこの業者もできないはずなので、そう言い切るところの方がむしろ注意した方がいいかもしれません。

見積もり自体は無料でやっているところが大半なので、電話やチャットで今の状況(chkdskを実行したこと、FOUND.000フォルダの有無、異音の有無)をそのまま伝えて、診断してもらうのが一番早いです。料金の考え方についてはデータ復旧の料金相場と高い理由、見積もりで見るべき点にもまとめているので、業者を選ぶ前に目を通しておくと相場観がつかめると思います。

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自分でどこまで試して、どこから業者に切り替えるべきかの判断基準はデータ復旧が自分でできる範囲と限界、業者に切り替える基準にも書いたので、迷ったらそちらも参考にしてみてください。

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僕がこの仕事をしていて感じるのは、chkdskで消えたと思っていたデータでも、案外どこかに形を変えて残っているケースが多いということです。FOUND.000フォルダを開いた瞬間、探していたファイルの断片が出てきて、電話口でホッとした声を上げる人を何人も見てきました。もちろんケースによって全然違うので、これは僕の体感的な話にすぎませんが、まずはドライブのルートフォルダを一度確認してみてほしいです。そこに何もなかったら無料の復元ソフトを試して、それでも見つからなければ業者の無料診断へ。焦って手を動かすより、その順番で一つずつ潰していくほうが結局は近道だったりします。

症状が違うなら、こちらを読む

自分で試していい状態と、今すぐ手を止める状態

症状が違えば初動も違う。以下は全記事共通の線引きである。迷ったら通電を止める側を選ぶ。

自分で試してよい(下の全てに当てはまる場合のみ)

  • 異音がしない。カチカチ・ジジジ・カラカラいずれも鳴っていない
  • 焦げ臭くない。煙は出ていない
  • 水に濡れていない。落下させていない
  • 機器自体はパソコンから見えている(認識はする)

今すぐ電源を切り、通電をやめる(一つでも当てはまるなら)

  • カチカチ・ジジジ・カラカラなどの異音がする
  • 焦げ臭い。煙が出た。基板が変色している
  • 水没した。湿っている(乾かす目的でも通電しない)
  • 落下・衝撃のあとに認識しなくなった
  • RAID/NASでリビルドに失敗した

この状態でやってはいけない操作

  • 再起動と抜き差しの繰り返し。通電のたびに状態は悪くなる
  • chkdsk・フォーマット・修復ツールの実行
  • 元の機器への上書き保存・復元先に元の機器を指定すること

復旧の可否は状態次第であり、可否も費用も診断しないと分からない。ここで保証はしない。

判断のもとにしている公的な情報源

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この記事を書いた人

真壁

データ復旧たすけ隊編集長 / 元フィールドエンジニア25年

メーカーのフィールドエンジニアを25年。工場や病院のサーバ室で、止まった機械と青ざめた担当者を前にしてきた。現場で学んだのは一つ。壊れた機械より、慌てた人間の操作のほうがデータを殺す。再起動、抜き差し、通電したままの放置。良かれと思ってやる操作で、戻ったはずのデータが戻らなくなる。だからここでは、理由より先に「今すぐやめること」を書く。復旧の保証はしない。悪化させない手順だけは断定する。

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