ドラレコSDカードの映像が消えた、復元より先にやること

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事故った直後、車を路肩に停めてすぐSDカードを抜いた。そこまでは正解だ。でもPCに挿しても該当の映像が出てこない、フォルダを開いても違う日付ばかり、あるいはカード自体が「認識できません」と表示される。相手はいるし、保険会社にも「映像ありますか」と聞かれてる。今日中に何とかしたい、その気持ちすごくわかる。僕も窓口時代、事故直後の電話を何十件も受けてきた。声のトーンでだいたい状況がわかるくらいには。

先に言っておくと、ドラレコのSDカードで映像が見当たらないケースは、多くが「消えた」んじゃなくて「ループ録画で上書きされた」か「イベント記録用のフォルダに入っているのに見落としている」かのどちらかだ。あるいはカード自体が寿命や破損で読めなくなっている。この3パターンで対処が全然違うので、順番に確認していく。

今すぐ絶対にやってはいけないこと

車に戻ってすぐドラレコの電源を入れ直したくなる気持ち、わかる。でもそれが一番まずい。ドラレコは基本的にループ録画だから、電源が入っている限りどんどん新しい映像を書き込み続けて、古いファイルから上書きされていく。事故の瞬間の映像がまだ上書きされていなくても、走らせ続けたらその映像そのものが消える可能性がある。

だからSDカードを抜いたら、そのカードはもうドラレコに戻さない。これが一番大事。抜いた後にPCで中身を見るのはいいけど、「見当たらないから念のためもう一度録画してみよう」と本体に戻すのだけは絶対にやめてほしい。上書きは待ってくれない。

あと、カードリーダーでPCに挿した後も、そのカードに新しいファイルを書き込んだり、フォーマットしたりしないこと。「フォーマットしないと使えません」という表示が出ても、そこで指示通りにフォーマットを押すと復元の難易度がぐっと上がる。この手のエラーについてはフォーマットする必要がありますと出たら復元は諦めなくていいでも詳しく書いたので、同じ表示が出ている人はそっちも見てほしい。

イベント記録フォルダを見落としていないか

多くのドラレコは、衝撃を検知すると「イベント録画」として別フォルダに自動保存する仕組みを持っている。普段の走行映像とは別に、EVENTとかLOCKとかいう名前のフォルダに保存されて、そこは上書きされにくい設計になっていることが多い。

PCでSDカードを開いたら、DCIMやMOVIEといった普通のフォルダだけじゃなく、隠れた場所にEVENTフォルダがないか探してみてほしい。機種によってはドラレコ本体の専用ビューアソフト経由じゃないと表示されないファイル形式になっていることもある。エクスプローラーで開いてファイルが見つからなくても、メーカーの再生ソフトを使ったら普通に出てきた、というケースは正直かなり多い。慌てて「消えた」と決めつける前に、この確認だけは先にやってほしい。

SDカードが認識しない・エラーが出る場合

イベントフォルダを探しても、そもそもPCがカードを認識しない、あるいは「フォーマットが必要です」と出る場合は話が別だ。これは論理的な破損の可能性が高くて、こうなるとファイルシステムの管理情報が壊れているせいで、中身は残っていてもOSからは見えない状態になっている。

こういうときに試す価値があるのが、データ復元ソフトでカードをスキャンする方法。ファイル管理情報が壊れていても、実データがまだ物理的に残っていればスキャンで拾える可能性がある。無料版で先にスキャンしてどのくらい復元できそうか見てから、必要な分だけ有料版にするという使い方が現実的だと思う。ただ、動画ファイルは容量が大きい分、ソフトによって拾える・拾えないの差が結構出る。ここは正直、試してみないとわからない部分もある。成功するかどうかはカードの状態次第で、正直ケースバイケースとしか言えない。

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同じような「認識しない」トラブルの初動についてはSDカード認識しない時の復元方法、業者に出す前の判断基準にもう少し詳しくまとめてある。ドラレコ用の高耐久SDカードでも壊れるときは壊れるので、機種を問わず参考になると思う。

カードに異常があるとき、それは自分でいじらない方がいい

ここまでは「ソフトで何とかなる可能性がある」話だけど、もう一段階深刻なケースもある。カードが物理的に折れている、水に浸かっていた、内部の基盤が焼けたような臭いがする、あるいはPCに挿しても一切何の反応もない。こういうときは、正直言って自分で何とかしようとするのはやめた方がいい。

無料ソフトのスキャンをかけようとしても、そもそもカードとして認識されない段階では何も始まらない。それでも「もしかしたら」と何度も抜き差ししたり、別のPCで試したりを繰り返すと、わずかに残っていた可能性まで潰してしまうことがある。これは僕が窓口にいた頃、何度も見た失敗パターンだ。「とりあえず色々試してから業者に持ち込んだら、その色々のせいで復旧率が下がっていた」というケース、本当に悔しい。

事故絡みの映像は、示談や保険金の話に直結することもあるから、余計に「絶対に失敗できない」というプレッシャーがかかると思う。だからこそ、物理的な異常がある場合は最初から専門業者に相談してほしい。データ復旧業者は初期診断や見積もりを無料でやっているところが多いので、まず症状を伝えて「復元できそうか」だけ聞くという使い方でいい。

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料金については、SDカードの論理障害なら数千円〜2万円くらい、物理障害だと数万円〜という幅で語られることが多いけど、これは本当にカードの状態と容量、業者によって変わる。あくまで目安として捉えて、実際は無料見積もりで確認するのが一番確実だ。詳しい料金の考え方はデータ復旧の料金相場と高い理由、見積もりで見るべき点にまとめているので、見積もりが妥当かどうか判断する材料にしてほしい。

保険会社や相手方への説明で焦らないために

ここは意外と見落とされがちなんだけど、映像が「今は見られない」状態でも、保険会社への連絡自体は先に進めておいた方がいい。「ドラレコの映像を確認中で、復旧作業を進めています」と伝えれば、映像が出るまで待ってもらえることがほとんどだ。焦って「映像はありません」と早々に伝えてしまうと、後で復元できたときに話が二度手間になることもある。

あと相手方がいる事故の場合、警察への提出や保険会社とのやり取りで映像の「復元履歴」を聞かれることもある。業者に依頼した場合は作業報告書や診断書が出ることが多いので、そういう書類が残る形で進めておくと、後々の説明がスムーズになる。ここは僕の経験というより、実際に相談を受けた人たちから聞いた話が大きい。

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今夜、何から手をつけるか決めるなら

カードはドラレコに戻さない。PCでイベントフォルダを探す。それでも見つからず、カードの反応がおかしいなら復元ソフトのスキャンだけ先にかけてみる。異音や破損、水没みたいな物理的な異常があるなら、それ以上いじらずに業者の無料見積もりに相談する。この順番さえ守れれば、今ある可能性を自分で潰してしまうことはない。

僕がこれまで見てきた中でも、事故直後の映像がイベントフォルダの中にちゃんと残っていて、探し方がわからなかっただけというケースは本当に多かった。まずは慌てず、PCの画面を一つずつ確認してみてほしい。

症状が違うなら、こちらを読む

自分で試していい状態と、今すぐ手を止める状態

症状が違えば初動も違う。以下は全記事共通の線引きである。迷ったら通電を止める側を選ぶ。

自分で試してよい(下の全てに当てはまる場合のみ)

  • 異音がしない。カチカチ・ジジジ・カラカラいずれも鳴っていない
  • 焦げ臭くない。煙は出ていない
  • 水に濡れていない。落下させていない
  • 機器自体はパソコンから見えている(認識はする)

今すぐ電源を切り、通電をやめる(一つでも当てはまるなら)

  • カチカチ・ジジジ・カラカラなどの異音がする
  • 焦げ臭い。煙が出た。基板が変色している
  • 水没した。湿っている(乾かす目的でも通電しない)
  • 落下・衝撃のあとに認識しなくなった
  • RAID/NASでリビルドに失敗した

この状態でやってはいけない操作

  • 再起動と抜き差しの繰り返し。通電のたびに状態は悪くなる
  • chkdsk・フォーマット・修復ツールの実行
  • 元の機器への上書き保存・復元先に元の機器を指定すること

復旧の可否は状態次第であり、可否も費用も診断しないと分からない。ここで保証はしない。

判断のもとにしている公的な情報源

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この記事を書いた人

真壁

データ復旧たすけ隊編集長 / 元フィールドエンジニア25年

メーカーのフィールドエンジニアを25年。工場や病院のサーバ室で、止まった機械と青ざめた担当者を前にしてきた。現場で学んだのは一つ。壊れた機械より、慌てた人間の操作のほうがデータを殺す。再起動、抜き差し、通電したままの放置。良かれと思ってやる操作で、戻ったはずのデータが戻らなくなる。だからここでは、理由より先に「今すぐやめること」を書く。復旧の保証はしない。悪化させない手順だけは断定する。

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