深夜にこの記事にたどり着いた人、たぶん今、目の前でiPhoneがリンゴマークと真っ暗な画面を行ったり来たりしてますよね。明日の朝イチで使う資料が中に入ってる、子供の写真がバックアップ取れてない、LINEの大事なやり取りが消えるのは絶対に嫌――そういう状態だと思います。僕も相談窓口時代、夜中に「今すぐ直る方法ありませんか」って泣きそうな声で電話をもらったこと、何度もありました。
先に言っておきます。今この瞬間、何度も電源ボタンを連打したり、PCに繋いでiTunesやFinderが「復元しますか」って聞いてきた画面で焦って「はい」を押すのだけは、ちょっと待ってください。それをやると、本当にデータが消えます。逆に言うと、それさえやらなければ、まだ望みは残っている状態です。
リンゴループって結局何が起きてるのか
リンゴマークが出て、少し待つとブラックアウトして、また出て…を繰り返すこの現象、原因は正直ひとつじゃないです。iOSのアップデートが途中でコケた、ストレージの空き容量がギリギリで起動プロセスが最後まで走りきれない、バッテリーの劣化や接触不良で電力供給が安定しない、まれに基板側の部品が怪しくなっている、なんてケースもあります。
厄介なのは、見た目が全部同じ「リンゴループ」に見えることです。ソフト的な軽い不具合なのか、ハード的な故障の入り口なのか、画面を見てるだけじゃ判断がつきにくい。だからこそ、いきなり強い処置(初期化)に走らず、軽い方から試すのが基本になります。
まず試していい操作、これはデータを消さない
正確な手順の「強制再起動」は、基本的にデータを消す操作ではありません。ボタンを押すだけで内部のストレージには一切触りません。
機種によってやり方が違うので、ここだけは間違えないでください。
Face ID搭載機種(iPhone8以降で物理ホームボタンがないタイプ)は、音量アップを押してすぐ離す、音量ダウンを押してすぐ離す、そのままサイドボタンをリンゴマークが出るまで長押し。ホームボタンがある機種は、ホームボタンとサイドボタン(または上部ボタン)を同時に長押しし続ける。押す長さは10秒前後が目安です。
これで直ることも、正直それなりにあります。特にアップデート中の一時的なフリーズや、アプリの処理落ちが原因だった場合は、この一発で何事もなかったかのように起動してきたりします。僕が現場で見てきた感覚だと、軽い不具合ならここで復帰するケースは珍しくないです。ただしこれは「その時によります」としか言えなくて、何度やっても同じ場所でループするなら、原因はもう一段深いところにある可能性が高いです。
強制再起動を1回やって変化がなければ、間隔を空けてもう1〜2回。ここで大事なのは「じゃあ次はリカバリーモードだ」と焦って踏み込まないこと。次の段階は、データそのままを望む人にとっては一気にリスクが跳ね上がるゾーンです。
リカバリーモード・DFUモードは「データそのまま」の対極にある
検索するとよく出てくる、PCに繋いでリカバリーモードにして「復元」を実行する方法。これ、確かにリンゴループを解消できることが多いです。ただし中身は初期化です。工場出荷時の状態に戻すので、写真もLINEもアプリのデータも全部消えます。バックアップが直近まで取れていれば、それを書き戻せば済む話なんですが、この記事を読んでる人の多くは「バックアップが古い、もしくは取ってない」から検索してるはずです。
つまり、リカバリーモードでの復元は「直す」ことと「データを守る」ことがトレードオフになっている操作です。ここを混同したまま進めてしまう人が本当に多くて、僕が窓口にいた頃も「直そうとして復元ボタン押したらデータ全部消えました」という相談を何件も受けました。押した後に電話が来ても、その時点でストレージ上のデータ配置は書き換えられてしまっているので、打てる手はかなり限られてしまいます。
強制再起動だけで直らない場合、「データを諦めて直す」か「データを優先してこのまま業者に相談する」かの分岐点に立っていることを、まず自覚してほしいです。
触ってはいけないサイン、これがあれば迷わず業者へ
リンゴループと同時に、本体が異常に熱い、充電ケーブルを挿しても反応が不安定、画面の一部にシミのような変色がある、水濡れや落下の後に発生した――こういうサインがあれば、それはソフトの問題じゃなくて基板や部品の物理的な不調が絡んでいる可能性があります。
こうなると素人がボタン操作をあれこれ試すこと自体、リスクです。無理に電源を入れたり抜いたりを繰り返すと、かろうじて生きていた基板がさらに傷んで、本当にどうしようもなくなることがあります。異音や水没が絡む場合の考え方は水没スマホのデータ復旧、電源を入れる前に知ってほしいことでも触れているので、心当たりがあれば先に見てもらえたらと思います。
データだけ取り出したい場合の選択肢
強制再起動でも直らない、でもリカバリーモードは怖くて踏み切れない――という状態なら、業者に「復元せずにデータだけ吸い出してほしい」と相談する道があります。iPhoneのリンゴループ機からデータ抽出だけを行う技術を持つ業者は実際にあって、端末を初期化せずに内部データにアクセスして必要なファイルだけ取り出す、というアプローチを取ります。
ここで正直に言うと、iPhoneは暗号化の仕組みがしっかりしているぶん、Androidや外付けHDDに比べて「データだけ抜く」難易度は高めです。基板が生きていて、パスコードやロックの状態次第では対応できないケースもあります。「絶対に取り出せます」とは僕も言えません。実際にどこまでできるかは、機体を見てもらわないと分からない部分が大きいです。
料金感で言うと、リンゴループからのデータ復旧は3万円台からと言われることが多く、容量や状態によっては8万円前後まで幅が出るケースもあるようです。基板修理が必要になるとさらに上がることもあります。この幅、正直広すぎて不安になると思うんですが、実際に見積もりを取ってみないと機体ごとの状態が違いすぎて何とも言えないんですよね。無料診断・無料見積もりをやっている業者も多いので、まずは症状を伝えて見てもらうのが現実的だと思います。
デジタルデータリカバリー
累計50万件超の相談実績。最短即日で無料診断でき、復旧できなければ費用がかからない成功報酬制。まず可否と概算を確認したい人向け。
初期診断・見積もりは無料
起動自体ができない状態全般の判断軸についてはiPhone起動しない時のデータ取り出しと業者の判断基準にもう少し詳しく書いてあるので、あわせて読んでもらえると状況の切り分けがしやすいかもしれません。
G・O・G 会員制パソコンサポート
PC・スマホ・タブレットのトラブルを電話や訪問でサポートしてくれる会員制サービス。データ以外のパソコンの困りごとが続く人向け。
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バックアップがなかった自分を責めなくていい
ここまで読んで、「そもそもバックアップ取ってなかった自分が悪い」って思ってる人もいるかもしれません。でも僕が見てきた相談者のほとんどが、バックアップは「そのうちやろう」で後回しにしてました。特別だらしないわけじゃなくて、忙しい日々の中では普通のことです。
今回無事に直った、あるいはデータが取り出せた後は、iCloudの自動バックアップをオンにするか、月に一度でもPCに繋いでフルバックアップを取る習慣をつけておくと、次同じ画面を見ても今日ほどの恐怖は感じずに済みます。強制再起動で一発解決した人も、油断せずにこのタイミングでバックアップだけは済ませておいてほしいです。
FIREBIRD(iPhone基板修理)
水没・起動不良・リンゴループなど、iPhoneの基板レベルの故障からデータを取り出す専門サービス。他店で断られた端末の相談もできる。
FIREBIRD iPhone基板修理・データ復旧(無料相談)
修理・復旧の可否は無料相談で確認できます
今すぐやることは、電源ボタンを連打するのをやめて、正しい手順の強制再起動を一度だけ落ち着いて試すこと。それでダメなら、次の一手は「初期化」じゃなくて「データを守れる相談先を探す」方です。焦って復元ボタンを押す前に、一呼吸置いてもらえたらと思います。
症状が違うなら、こちらを読む
自分で試していい状態と、今すぐ手を止める状態
症状が違えば初動も違う。以下は全記事共通の線引きである。迷ったら通電を止める側を選ぶ。
自分で試してよい(下の全てに当てはまる場合のみ)
- 異音がしない。カチカチ・ジジジ・カラカラいずれも鳴っていない
- 焦げ臭くない。煙は出ていない
- 水に濡れていない。落下させていない
- 機器自体はパソコンから見えている(認識はする)
今すぐ電源を切り、通電をやめる(一つでも当てはまるなら)
- カチカチ・ジジジ・カラカラなどの異音がする
- 焦げ臭い。煙が出た。基板が変色している
- 水没した。湿っている(乾かす目的でも通電しない)
- 落下・衝撃のあとに認識しなくなった
- RAID/NASでリビルドに失敗した
この状態でやってはいけない操作
- 再起動と抜き差しの繰り返し。通電のたびに状態は悪くなる
- chkdsk・フォーマット・修復ツールの実行
- 元の機器への上書き保存・復元先に元の機器を指定すること
復旧の可否は状態次第であり、可否も費用も診断しないと分からない。ここで保証はしない。
判断のもとにしている公的な情報源
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この記事を書いた人
真壁
データ復旧たすけ隊編集長 / 元フィールドエンジニア25年
メーカーのフィールドエンジニアを25年。工場や病院のサーバ室で、止まった機械と青ざめた担当者を前にしてきた。現場で学んだのは一つ。壊れた機械より、慌てた人間の操作のほうがデータを殺す。再起動、抜き差し、通電したままの放置。良かれと思ってやる操作で、戻ったはずのデータが戻らなくなる。だからここでは、理由より先に「今すぐやめること」を書く。復旧の保証はしない。悪化させない手順だけは断定する。
