iPhoneの写真が消えた。まず写真アプリの「最近削除した項目」を開く。本体の初期化と、「復元ソフト」のiPhoneへのインストールはしない。iCloud写真のオフとサインアウトもしない。確認の順番はこの下に示す。3分で終わる。
戻る見込みが高い:削除から30日以内。「最近削除した項目」に残っている。
戻る可能性がある:iCloud写真・共有アルバム・PCの自動バックアップに同期されていた。
自力では困難:30日を過ぎ、どこにも同期がない。または本体が起動しない。
※30日はAppleサポート「写真アプリで写真やビデオがなくなった場合」の記載(2026年9月16日に確認)。起動しない端末は別の話。下で分ける。
やってはいけないこと
禁止② iCloud写真をオフにする・iCloudからサインアウトする。同期の状態が変わる。iCloud側に残っていた写真まで消える手順を踏みかねない。
禁止③ 「復元ソフト」を本体に入れて何度もスキャンする。iPhoneの保存領域は暗号化されている。PC用の復元ソフトの手法は通用しない。
iPhoneはSDカードと違う。削除したファイルの痕跡を外から拾う方法が原理的に無い。Appleが用意した猶予、「最近削除した項目」の30日が事実上の唯一の窓。だから最初に見るのはそこ。
確認の順番(5分)
「バックアップなし」と思い込んでいる人のうち、5番で見つかる例は少なくない。Finderの「バックアップを管理」やiTunesの「デバイス」で日付を見る。消えた日より前の日付があれば、そこに写真がある。
状況別の判断表
| 状況 | 見込み | やること |
|---|---|---|
| 削除から30日以内 | 高い | 最近削除した項目から復元 |
| 「最近削除」からも消した | 低い | iCloud.com・共有先・PCを確認 |
| iCloud写真がオンだった | 本体と同じ | iCloud側の最近削除を確認。無ければ同じ結果 |
| iOSアップデート後に消えた | 中 | iCloudの容量超過を確認。削除ではないことが多い |
| 落下・水没・起動しない | 業者の領域 | 通電をやめ、基板修理系の無料相談 |
「アップデート後に消えた」の多くは削除ではない。iCloudの容量不足で本体に取り込めていないだけ。設定→自分の名前→iCloudで容量を見る。空きができれば戻ることがある。
30日を過ぎ、同期も無い場合
自力で戻せる方法は、私の知る限り無い。「バックアップなしで復元」と書かれた市販ソフトもある。拾えるのは本体のキャッシュや縮小画像程度のことが多い。
買う前に無料スキャンの結果を見る。原寸の写真が出るかだけを確認する。出ないなら買わない。
業者に出しても、起動している端末から削除済みの写真を戻すのは難しい。業者の出番は別にある。起動しない・水没・画面不良の端末から写真を取り出す場合だ。
その場合はiPhoneが起動しない時のデータ取り出し、水に濡らしたなら水没スマホの初動の手順を先に読む。
FIREBIRD(iPhone基板修理)
水没・起動不良・リンゴループなど、iPhoneの基板レベルの故障からデータを取り出す専門サービス。他店で断られた端末の相談もできる。
FIREBIRD iPhone基板修理・データ復旧(無料相談)
修理・復旧の可否は無料相談で確認できます
初期化してしまった後なら
「初期化すれば直る」と勧められて消した、という相談は多い。バックアップが無ければ、初期化後の復元は業者でも困難。
初期化の前に読むべき内容はスマホを初期化した写真の復元に分けた。自力の限界線は自分でできる範囲と限界で確認できる。
症状が違うなら、こちらを読む
自分で試していい状態と、今すぐ手を止める状態
症状が違えば初動も違う。以下は全記事共通の線引きである。迷ったら通電を止める側を選ぶ。
自分で試してよい(下の全てに当てはまる場合のみ)
- 異音がしない。カチカチ・ジジジ・カラカラいずれも鳴っていない
- 焦げ臭くない。煙は出ていない
- 水に濡れていない。落下させていない
- 機器自体はパソコンから見えている(認識はする)
今すぐ電源を切り、通電をやめる(一つでも当てはまるなら)
- カチカチ・ジジジ・カラカラなどの異音がする
- 焦げ臭い。煙が出た。基板が変色している
- 水没した。湿っている(乾かす目的でも通電しない)
- 落下・衝撃のあとに認識しなくなった
- RAID/NASでリビルドに失敗した
この状態でやってはいけない操作
- 再起動と抜き差しの繰り返し。通電のたびに状態は悪くなる
- chkdsk・フォーマット・修復ツールの実行
- 元の機器への上書き保存・復元先に元の機器を指定すること
復旧の可否は状態次第であり、可否も費用も診断しないと分からない。ここで保証はしない。
判断のもとにしている公的な情報源
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この記事を書いた人
真壁
データ復旧たすけ隊編集長 / 元フィールドエンジニア25年
メーカーのフィールドエンジニアを25年。工場や病院のサーバ室で、止まった機械と青ざめた担当者を前にしてきた。現場で学んだのは一つ。壊れた機械より、慌てた人間の操作のほうがデータを殺す。再起動、抜き差し、通電したままの放置。良かれと思ってやる操作で、戻ったはずのデータが戻らなくなる。だからここでは、理由より先に「今すぐやめること」を書く。復旧の保証はしない。悪化させない手順だけは断定する。
